スポーツあれこれ by 星野恭子

11月1日から6日まで、東京・代々木第一体育館で開催されたパラバドミントンの世界一決定戦、「ヒューリック・ダイハツ BWFパラバドミントン世界選手権2022」の会場。客席を埋めた子どもたちの応援も選手の力に

観られ、魅せるパラスポーツへ
<2022年10月まとめ>

※写真上:11月1日から6日まで、東京・代々木第一体育館で開催されたパラバドミントンの世界一決定戦、「ヒューリック・ダイハツ BWFパラバドミントン世界選手権2022」の会場。客席を埋めた子どもたちの応援も選手の力に

ウィズ・コロナ”の考えも広まり、パラスポーツ大会も少しずつ有観客で開催される大会が戻ってきています。スポーツにおける観客の存在や観戦の意義について改めて考えさせられた大会が11月上旬、あいつぎました。

ひとつは、11月1日から6日まで開催された「ヒューリック・ダイハツ BWFパラバドミントン世界選手権2022」です。会場は東京・国立代々木競技場第一体育館。昨夏の東京パラリンピックの舞台と同じですが、今回は有観客で行われました。

学校プログラムで訪れた都内小中学校生らが熱心に声援を送り、49の国と地域から集まった250人を超える選手たちは躍動。日本代表も15選手が13種目に出場し、金3、銀2、銅5の計10個のメダルを獲得する活躍を見せました。選手たちは口々に「応援が力になった」と感謝していました。

もうひとつは、11月6日にさいたま市で行われた自転車レース「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」です。世界最大級の自転車レース「ツール・ド・フランス」を冠した名の通り、同レースの優勝選手たちをはじめ、世界トップクラスのサイクリストが集まるレース。さいたま新都心駅周辺の市街地を走る独特のコースでもあり、2013年の初開催以来、熱心な自転車レースファンがかけつける人気大会です。

パラサイクリングの部は2015年から実施されるようになりました。公式戦ではありませんが、大勢の観客を前に、パラサイクリングを披露する貴重な機会となっています。今年も日本選手のみ、7組8選手が個人タイムトライアルに出場しました。

この日、最速タイムをたたき出したパラリンピアン、藤田征樹選手は沿道からの声援を受け、「幸せだなと感じながら走った」とコメントしていました。

▼参考

[J:COM presents 2022 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム]市街地を走り抜ける価値ある自転車レース。「障がいも自転車も『違い』が見どころ!」(パラスポプラス/2022年11月15日付)

「応援の声」は選手たちを奮い立たせるとともに、新たなファンを獲得する重要な機会でもあります。パラスポーツの面白さを感じるには「百聞は一見にしかず」。普及のためにも、観戦の機会が増えること。そして、しっかりしたプロモーションで集客すること。さらには、選手たちのハイレベルなパフォーマンスで「魅せる」ことなどが重要です。

私たちメディアもその辺りを意識しながら、面白さをしっかり伝え、魅せていきたいと改めて思いました。

<2022年10月度>

==========
<2021年10月度>
■寄稿:
⇒【車いすラグビー】車いすラグビー日本代表が連覇に挑戦! 世界選手権まもなく開幕(ノーボーダー/2022年10月3日付)

⇒【水泳】記録ラッシュ、若手の台頭、ライバル対決…見どころ満載のジャパンパラ水泳2022をレポート(パラスポプラス/2022年10月6日付)

⇒【ブラインドサッカー】[LIGA.iブラインドサッカートップリーグ] リーガアイ、初代王者は埼玉T.Wingsに。普及と強化のための希望と課題(パラスポプラス/2022年10月14日付)

⇒【マラソン】【レポート】東京レガシーハーフマラソン2022 プレスカンファレンス(パラアスリート)(東京レガシーハーフマラソン/2022年10月14日付)

⇒【マラソン】【レポート】東京レガシーハーフマラソン2022 パラアスリート(車いす)(東京レガシーハーフマラソン/2022年10月16日付)

⇒【マラソン】【レポート】東京レガシーハーフマラソン2022 パラアスリート(T11/12)(東京レガシーハーフマラソン/2022年10月16日付)

⇒【バドミントン】世界のトップ選手が東京・代々木に再集結!パラバドミントン世界選手権、11月1日開幕(ノーボーダー/2022年10月17日付)

⇒【車いすテニス】[楽天ジャパンオープン・車いすテニスチャンピオンシップス2022] 激戦2時間27分、国枝慎吾が2連覇! 挑戦者、小田凱人の躍進で車いすテニス新時代の幕開け。「これからも名勝負は生まれる」(パラスポプラス/2022年10月19日付)

⇒【パラスポーツ】パラスポーツを楽しもう! 主な大会・イベント情報~11月開催分(ノーボーダー/2022年10月24日付)

⇒【マラソン】[東京レガシーハーフマラソン2022] 記念すべき第1回、「多様性と調和」東京2020大会のレガシーを継承するハーフマラソン。パラアスリートがそれぞれの目標に挑戦(パラスポプラス/2022年10月25日付)

⇒【陸上】[東京レガシーハーフマラソン2022] パラ陸上教室in国立競技場を開催しました!(東京レガシーハーフマラソン/2022年10月31日付)

⇒【車いすテニス】障害も年齢も性別も超えた「異種混合マッチ」で、テニスの魅力を満喫!(ノーボーダー/2022年10月31日付)


==========
■講演:
⇒『パラスポーツの現状』(専修大学/2022年10月5日)

(kh)

一覧

寄稿