スポーツあれこれ by 星野恭子

3日間で18,000人以上が観戦し、盛り上がりを見せた車いすバスケットボールの天皇杯。写真は2日目の様子で、左側のメディア席をはじめ、1階アリーナ席はほぼ満席となるほど予選リーグの試合から注目が高かった。

東京パラ日本チームを今から後押し! 会場観戦のススメ
<5月度まとめ>

※写真上:3日間で18,000人以上が観戦し、盛り上がりを見せた車いすバスケットボールの天皇杯。写真は2日目の様子で、左側のメディア席をはじめ、1階アリーナ席はほぼ満席となるほど予選リーグの試合から注目が高かった。

「全会場満員化」を目標に掲げる東京2020パラリンピック開幕まで、あと400日余り。事前PRや体験会開催などプロモーション活動も盛んに行われ、国内でのパラスポーツ大会観戦者の数も徐々に増え、関心の高まりが感じられます。

5月10日から12日にかけて、武蔵野の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)で行われた「天皇杯 第47回に日本車いすバスケットボール選手権大会」は3日間で18,000人以上の観客を集めました。そのうち、決勝戦など3試合が行われた最終日は11,885人。国内開催のパラスポーツ大会としては過去、最高の数字かもしれません。とにかく、3階まで「ぎっしり」と埋まった客席は壮観で、シュートが決まるたびに沸き起こる歓声も圧巻でした。

また、5月23日から26日には千葉ポートアリーナ(千葉市)でシッティングバレーボールの国際大会「チャレンジマッチ2019」が開催され、3日間でのべ4,000人の観客が世界の強豪4カ国による熱戦を見つめました。シッティングバレーボールは脚に障害がある選手を対象に、お尻をつけたままで行うバレーボールですが、日本で国際大会が行われるのは16年ぶり。日本チームは残念ながら4位に終わったものの、開催国枠で出場が決まる東京パラリンピックに向け、「こんなに大勢の観客の前でプレーしたことは初めて。かなり緊張したが、いいシミュレーションになった」という声が監督や選手たちから聞かれました。

シッティングバレーボールは一般のバレーボールの3分の2ほどの小さいコートを使うため、スピーディーに行きかうボールの迫力と展開の速さが魅力

会場の盛り上がりの陰には、千葉市による事前のPRや取り組みの努力もありました。近隣の小・中学校から生徒たちが連日、観戦に訪れ、手作りの応援幕などとともに大きな声援を送ってくれました。最終日には全国大会でも実績を残す習志野高校吹奏楽部が参加4カ国のオリジナルの応援コールを作り、試合ごとに2手に分かれ、客席でも大きな声で応援合戦を繰り広げました。

例えば、日本対中国戦では、おなじみの「ニッポン、チャチャチャ。ニッポン、チャチャチャ」の手拍子に対し、中国の応援はゴダイゴのヒット曲『モンキーマジック』にのせて、「チャイナ・マ〜ジック。チャイナ・マ〜ジック」といった具合です。熱い応援は日本選手だけでなく、外国選手にも「嬉しかった」と好評でした。

こうした温かい応援が2020年大会の各会場で見られることを願いますし、ぜひ今から多くの方に会場に足を運んでいただきたいなと思います。シッティングバレーボールの選手たちからも聞かれましたが、観客の声援は力になります。

一方で、勝利への期待を背負い、プレーごとに一喜一憂する観客の声援を耳にしながらのプレーはプレッシャーにもなります。プレッシャーに打ち克ち、平常心で練習の成果を発揮するには「慣れ」も必要です。リオパラリンピックで、チーム種目銀メダルを獲得し、一躍注目の高まったボッチャ日本代表チームは強化合宿に観戦者を入れるなど「注目される緊張感」を克服する練習にも取り組んでいるそうです。

母国開催の東京パラリンピックで日本人選手が感じるプレッシャーはどれほどのものでしょう。今から「慣れ」なければなりません。大舞台で選手たちがもてる力を発揮できるように、ぜひ今から会場で観戦し、よいプレッシャーをかけてください!

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<2019年5月度>
■寄稿:
⇒【車いすバスケットボール】車いすバスケ、宮城MAXが11連覇! 健常者選手も参戦し、選手層も見ごたえもアップ!(ノーボーダー/2019年5月13日付)

⇒【トライアスロン】パラトライアスロン横浜大会閉幕。過酷だからこそ、魅力!? 選手層も拡大中!(ノーボーダー/2019年5月20日付)

⇒【シッティングバレーボール】シッティングバレーの熱戦に4,000人以上が歓声。選手も観客も、東京2020パラリンピックをイメージ +パラスポーツを観にいこう! ~6月に開催予定の主な大会・イベント情報(ノーボーダー/2019年5月27日付)


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■雑誌:『パラスポーツマガジン』(実業之日本社/2019年5月27日発行)

・「ブラインドサッカー観戦を充実のエンターテインメントに」(P50-55)


『Glitters』(つなひろワールド/2019年5月30日発行)

・ノルディックスキー(P4-11)/ゴールボール女子(P12-19)/ゴールボール男子(P20-25)/ブラインドサッカー(P54-61)


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■ラジオ出演:
NHKジャーナル:スポーツ『車いすバスケットボール:天皇杯 第47回日本選手権大会プレビュー』(NHKジャーナル/2019年5月9日放送)

(kh)

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いっしょに走ろっ!―夢につながる、はじめの一歩

「走る」をテーマにさまざまな人々の挑戦を集めた一冊。2012年ロンドンパラリンピック出場を目指す、義足のジャンパー中西麻耶選手と義足職人やコーチたち、全盲のランナー和田伸也選手と伴走者たち、そして、視覚障害ランナーの伴走ボランティアに挑む福井県の中学生たちのドキュメント。

伴走者たち―障害のあるランナーをささえる (ドキュメント・ユニバーサルデザイン)

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図鑑「ユニバーサルデザインーみんなのくらしを便利に」シリーズの1冊。障害のある人やいろいろな立場の人の、それぞれの使いやすさを考えて工夫されている商品やサービスに注目。前半では製品のユニバーサルデザイン、後半では情報のユニバーサルデザインについて、豊富な写真と専門家の解説などで紹介。