スポーツあれこれ by 星野恭子

「2017国際親善女子車椅子バスケットボール大阪大会」の会場、大阪市中央体育館の正面入口。観戦に訪れた中学生一行をボランティアの皆さんが出迎える

「ようおこし」の文字に思ったこと

※写真上:「2017国際親善女子車椅子バスケットボール大阪大会」の会場、大阪市中央体育館の正面入口。観戦に訪れた中学生一行をボランティアの皆さんが出迎える

仕事がら、さまざまなスポーツ施設に行きます。それぞれ特徴があって面白いのですが、先月、車椅子バスケットボール女子の国際親善試合、「2017国際親善女子車椅子バスケットボール大阪大会」が行われた、大阪市中央体育館もその一つ。運動公園の一角にあり、隣にはプールや開放的広場などもありました。

最寄り駅から直結でバリアフリー。車椅子利用者などにも安心の造りです。特に体育館入り口は行きは下り、帰りは上りという緩やかな坂道になっていました。「珍しいなあ」と思ったら、半地下構造になっていました。わざわざ掘って屋根を付け、屋上には盛り土をして植樹してあり、パット見は“古墳”のような感じです。屋上は遊歩道なども整備された庭園になっているとあとで知り、散歩する時間がなかったことを残念に思いました。

そんな会場で開催された車椅子バスケの大会は2003年に男子の国際大会としてスタートし、07年からは国内唯一の女子の国際大会に様変わり。長年、「大阪カップ」という愛称で親しまれています。今年で15回目を迎えた大阪カップは、車椅子バスケの普及に大きな貢献をしてきた大会です。たとえば、毎年大会前には参加チームが近隣の学校を訪問して体験会を開いたり、大会期間中には子どもたちが学校単位で招待され、迫力ある試合を会場観戦します。国際交流や障害者理解にもつながる大会として、大阪市民にも親しまれているのです。

大阪市中央体育館最寄りの朝潮橋駅のトイレ。女性用、多目的、男性用が並んで配置され使いやすい。

この日も、私がちょうど入館するタイミングで中学生の一行と一緒になり、また、自転車に乗った中年の男性が、「そうか、今日は車椅子バスケットの試合だったな」と入館する中学生たちを見送っていたり、「浸透してるんだな~」と関心しました。

最寄り駅の地下鉄中央線・朝潮橋駅のトイレもしっかりバリアフリーで、右写真のようにトイレの入り口にはピクトグラムの下に赤い文字で「ようおこし」と書かれていました。大阪弁で「いらっしゃいませ」を意味するそうで和まされたのですが、東京駅だったら「ようこそ」かな。でもちょっと味気ない?なんて思ったり……。

とにかく、取材でいろいろなところに出かけると面白い発見がたくさんあり、心が動かされます。「そんな発見を多くの人に知ってほしい!」という思いが、あちこち動き回る原動力なんだと、改めて確認した大阪への旅でした。

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■寄稿:
「アスリート」をデザインの視点で紐解く、「アスリート展」が開幕。自分のなかの「アスリート性」と出会えるかも!(ノーボーダー/2017年2月20日付)

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新コースを攻略する「車いすランナー」は誰だ! 東京マラソン2017記者会見(カンパラプレス/2017年2月24日)

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■講演:
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■ラジオ出演:
すっぴん:スポーツ自由形「東京マラソン車いすの部を展望」NHKラジオ第1/2017年2月20日)

(kh)

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