スポーツあれこれ by 星野恭子

デフサッカー男子日本代表が国立競技場で初マッチを行った2025年4月2日、巨大な日本代表ユニフォームもホーム側のゴール裏スタンドに広がった

「代表戦の誇り」を感じた日
<2025年4月まとめ>

※写真上:デフサッカー男子日本代表が国立競技場で初マッチを行った2025年4月2日、巨大な日本代表ユニフォームもホーム側のゴール裏スタンドに広がった

4月2日、国立競技場で「歴史的なマッチ」が行われました。デフサッカー男子日本代表がJFLのクリアソン新宿とエキシビションマッチを戦ったのです。デフサッカー日本代表が国立のピッチに立つのは初めてのことでした。

マッチは今年11月に日本で初開催される「東京2025デフリンピック」の機運醸成と東京大会に向けた代表強化を目的としていました。訪れた観客は約3,800人。デフサッカー日本代表の晴れの舞台を一目見ようと駆け付けた家族や友人、ファンに加え、障害者サッカーやJFAなどサッカー関係者の姿も少なくありませんでした。

さらに印象的だったのは、ホーム側のゴール裏のスタンドに陣取った巨大な日本代表ユニフォームです。サッカー日本代表戦ではお馴染みの、あの巨大ユニフォームが、デフサッカー日本代表を鼓舞したのです。耳馴染みのある太鼓の音や「ニッポンコール」の声援も響き、このマッチが「サッカーの代表戦」であることを、強く感じました。

太鼓の音や声援は、デフサッカーの選手たちには聴こえません。でも、試合後、選手たちは話していました。「大きなユニフォームが見えて、皆さんが応援してくれている姿も見えて、すごく力になった」と。

デフサッカー日本代表は善戦むなしく0-2で敗れましたが、「デフリンピック初制覇」に向けて、きっと大きな一歩になったはずです。「サッカーファミリーの一丸」や「代表戦の誇り」を強く感じた試合でもありました。

▼参考:[FOOTBALL LIVE 2025 デフサッカー男子日本代表エキシビションマッチ]

「デフリンピック優勝への通過点に」。デフサッカー日本代表が“聖地”国立競技場に!JFLクリアソン新宿と歴史的エキシビションマッチ(パラスポ+!/2025年4月29日付)

(kh)

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